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2024年7月の労災ニュース:新たな死傷者数、主な書類送検事案

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7月期に認定された死者数67人、死傷者数11414人

 8月19日、厚労省が7月集計分の労働災害発生状況を公表し、7月10日~8月7日(以下「7月期」)までの1ヶ月で、2024年1月以降7月末までの労災事故について、新たに死者数67人、死傷者数11414人が明らかになりました。

 累計で2024年の労災死者数は現在366人となっており、前年の同時期の360人より1.7%増加しています。

 一方で死傷者数は65548人と、前年同時期の64213人より1335人、2.1%増加しています。

7月期の主な書類送検事案

◾60代の労働者が背中の骨を折るも労災かくし

 7月16日、徳島労働局・阿南労働基準監督署が、森林組合と同組合の代表理事を書類送検しました。徳島県が発注した治山事業の間伐材の伐採現場で、伐採した木が折れて、60代の労働者が背中の骨を折る負傷をしました。それにもかかわらず、労働基準監督署に虚偽の発生場所を記載した労働者死傷病報告書を提出したとして、労働安全衛生法第100条、労働安全衛生法第120条、労働安全衛生規則第97条に違反した疑いによります。

 労働安全衛生規則第97条には、次のように定められています。

 事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、様式第二十三号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

2 前項の場合において、休業の日数が四日に満たないときは、事業者は、同項の規定にかかわらず、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの期間における当該事実について、様式第二十四号による報告書をそれぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

労働安全衛生規則第97条(労働者死傷病報告)

◾トラックの荷台から墜落死

 7月18日、新潟労働局・上越労働基準監督署が、運送会社と同社の管理部長を書類送検しました。倉庫内で、トラックの荷台に積まれていた高さ2メートル以上の荷の上で、シート掛け作業中だったトラック運転手が墜落死しました。作業床の設置が困難な場合の墜落防止措置を講じていなかったとして、労働安全衛生法第21条、労働安全衛生規則第518条に違反した疑いによります。

 労働安全衛生規則第518条には、次のように定められています。

 事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。

2 事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

労働安全衛生規則第518条(作業床の設置等)

◾82歳の労働者が転落して頭を打って死亡

 8月7日、京都路王道局・京都南労働基準監督署が、ゴム製品販売会社と同社の労働者を書類送検しました。工場で、82歳の安全管理責任者が定格荷重2.8トンの天井クレーンを使用して、重量約1.6トンのろ過装置を吊り上げ作業をしていたところ、乗っていた脚立にろ過装置がぶつかったはずみで転落し、頭を強く打って死亡しました。法定の技能講習を修了していない労働者に玉掛け業務をさせたとして、労働安全衛生法第61条、労働安全衛生施行令第20条に違反した疑いによります。

 労働安全衛生法第61条には、次のように定められています。

   事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

2前項の規定により当該業務につくことができる者以外の者は、当該業務を行なつてはならない。

3第一項の規定により当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければならない。

4職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第一項(同法第二十七条の二第二項において準用する場合を含む。)の認定に係る職業訓練を受ける労働者について必要がある場合においては、その必要の限度で、前三項の規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。

労働安全衛生法第61条(就業制限)

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